2008年10月5日日曜日

池田満寿夫著『思考する魚』の紹介


池田満寿夫著『思考する魚』の紹介


1974年発刊の池田満寿夫著『思考する魚』は、雑誌などに書いたエッセイをまとめたものです。池田満寿夫の考え方や感覚がよくわかります。この本の中に、『月映』(詩の雑誌)の挿絵を描いていた版画家田中恭吉や恩地孝四郎について書いている。当時、すでに故人である田中恭吉や恩地孝四郎の遺族に会いに行くほどの熱意を見せている。取材メモのようなスタイルをとっているが、これが池田満寿夫にとっての創作上の転機になっている。作品がよりいっそう感覚的になり、情緒的傾向を見せるようになります。わたしは、これら版画家に影響を与えたのは、むしろ『萩原朔太郎』その人ではないか・・・とすら思っています。